カメラのキタムラで使い切りカメラの隣に陳列されていたペーパークラフトキットのカメラ「King ピンホールフィルムカメラ KPC-135」を買って組み立ててみました。今回は制作過程から実際の撮影や作例を紹介していきます。
価格は1,500円とお手頃。一見ペーパークラフトとは思えないカメラっぽいデザインに心ときめきますね!
「ピンホールカメラ」とは?
ピンホールカメラは写真の原点ともいえるカメラ。構造は至って単純。針の先で開けたような小さい穴を使って僅かな光を通し、映し出された像をフィルムに焼き付け記録するという撮影方法。昔は写真のことを光画とも言いましたがナルホドこの仕組みが分かれば納得ですね。💡
もしかしたら小学生の頃、理科の実験や夏休みの宿題などでピンホールカメラを作った経験のある方もいるのではないでしょうか。
ピンホールカメラの特徴をいくつか述べておきます。
レンズが無い
針穴がある意味レンズ代わりみたいなものなので、ピント合わせはできません。
またどこかにピントが偶然合っているということもあまり無い。
基本は長時間露光
所謂シャッターボタンは無い。手動で針穴を開けたり隠したりして撮影を行う。
露出時間も一般的なカメラに比べて長い秒数が必要となるので、動いているものが流れて消えたように映ったり、全体的にボヤッとボケた淡い描写を楽しむことが出来ます。
一眼レフカメラで撮影する際のバルブ撮影のような具合ですね。
「King ピンホールフィルムカメラ KPC-135」の概要
「King(キング)」は明治4年創業の老舗メーカー。カメラバッグや三脚などの様々な撮影用品を販売しているので、この商品も想像以上にしっかりした造りで(流石!)というかんじです。
ピンホールカメラのペーパークラフトは他にもあったりするけれど、いかにも子供の宿題向けなデザインが多いのよね。
しかし、このピンホールカメラキットはデザインがとってもオシャレなのです。大人が持っていてもイイ感じです!
スペックは以下の通り
価格 | 1,500円(※2020年購入時) |
---|---|
対応フィルム | 35mmフィルム |
ピンホール径 | 0.16mm |
焦点距離 | 20mm |
F値 | F/130 |
メーカー | キング |
紙製なので重量も軽く本体の重さは75g !
市販の35ミリフィルムを使い実際に写真を撮影することが可能。好みのフィルムで撮影できるので楽しみが広がりますね。
地味に嬉しいのは専用雲台(三脚受けプレート)が付属していること。カメラを普通の三脚に取り付けることができるので、手ブレを抑えた露光が可能になる。
ピンホールカメラKPC-135の制作手順とポイント
工具不要で組み立てられるのがこの商品のポイントですが、ハサミorカッターくらいは用意しておきましょう。部品をきれいに取り外すのは模型組み立ての鉄則であります!👆また、切りとった部品のバリをちゃんと取り除く為にもカッターは必要です。
キットの中身は紙製の部品、プラスティック製部品、そして組み立て順説明図。約1時間で組み立てることができると記載してあります。
私はのんびりTV見たり、猫の面倒をみながら作っていたのですが、それでも1時間半以内で出来上がりました。とっても簡単で多少ぶきっちょさんでもちゃんと作れるのではないでしょうか👀✨!
ピンホールカメラkpc-135が出来上がるまでの様子はこんな感じです!
「×」と印字されている部分を丁寧に切り取っていくと、大きくいくつかのボディパーツに別れます。それぞれナンバリングされているので説明書に従って組み立てていきます。
組み立てていくときに糊代わりに使うのが同梱されているこの黒いシール。
よく見ると大中小とサイズが違います。それぞれの部品に印字されている指示に従ってシールのサイズを選んでいくのですが、、
私はさっそく最初のいくつかをシールのサイズ間違えて貼っていました。。!意外なる落とし穴。でも、結果シールはどのサイズも多めにあるようなので足りなくなることはありませんでした!ホ。
そうして組み立てていくと、大きく3つのボディパーツができあがりましたよ。それぞれ、
- カメラボディの前面
- カメラ内部のフィルム設置パーツ
- カメラボディの背面
となります。
完成しました!
カメラボディは蓋のある箱のように2個のパーツになっています。
このように、フィルムを設置したらパカッと背面パーツをハメて、フィルムが巻き上がったら背面を外してフィルムを取り出す、というワケです。
背面には露出時間の目安などが記載されているのでとっても便利♪
最後に改めてピンホールカメラKPC-135を作る際のポイントや間違えやすそうなポイントをまとめておきます。
ココがポイント
- カッターは最低必要だよ。無ければハサミでもOK
- 組立用の黒シールはサイズ間違いやすいから注意
- カメラ内が真っ暗になるよう隙間を作らないように組立よう
フィルムの入れ方
それでは早速ピンホールカメラにフィルムを設置してみましょう!「ピンホールカメラKPC-135」に設置できるフィルムのサイズは35mmフィルム。
もちろんカラーフィルムもモノクロフィルムも使えます。
今回使用するフィルムは私が好きなモノクロフィルム「Kodak T-MAX100」。
フィルムのスペックは、こんなかんじ。
●35mm白黒フィルム
●36枚撮り
自分がカメラに入れたフィルムが何だったのか忘れないように、外箱を捨てずにとっておくか写メを撮ってメモしておきましょう。フィルムが入っているプラスチックケースは使用済みフィルムを入れるのに使うので捨てないでね。
ではフィルムをカメラに設置します。
フィルムを入れる手順
- フィルムの先端を軽く折り曲げておきます。
- 巻き戻しノブを引きながらフィルム本体をはめ込む。
- フィルムを少しずつ出し巻取り棒(スプール)にくぐす。
- 折り曲げたフィルム先端をスプールの溝に差込む。
- フィルムを巻き付けるようにし巻上ノブを2回転させる。
- フィルムが巻き付いてることを確認し背面ボディをはめ込む。
- 輪ゴムやゴムベルトでカメラが開かないよう固定。
この手順をおえたカメラの姿がこちら!
付属の黒い輪ゴムで固定しています。
カメラのボディが開いてしまうと光漏れの原因になります。
この後、巻上ノブを4回廻すと1枚目の撮影準備が完了です!
さて、兎にも角にもいよいよ撮影!
ピンホールカメラKPC-135で写真を撮ってみよう!
それでは、基本的なピンホールカメラの撮影手順を紹介します。
■基本的な撮影方法
- カメラを三脚に固定する。
- 左手など利き手で無い方の手でカメラを固定し、利き手でシャッター板を引き上げ露光(撮影)する。
- シャッター板を下げてピンホール窓を閉じる。
作業の流れは簡単ですね!
シャッターの開閉やフィルムの巻き上げは全て手動です。完全アナログなのでシャッターの開閉、フィルムの巻き上げなど、自分の手で写真を撮る感覚が味わえるというワケ。
シャッター板を引き上げている時間が「露光時間」になります。露光時間を長くするか短くするかで針穴を通る光の量が変わるので、写真の仕上がり明るさや被写体の動きや流れ具合が変わってきます。
ピンホールカメラにはレンズが無いので、ピント合わせが不要だし、詰る所ピントがそもそも合いません。
レンズを通さないでことと、長時間露光(露出時間が一般的なカメラに比べて長い秒数が必要)となることで、ブワ~ンっとした特有の柔らかい自然な表現になります。